「アラフォー独身でなんとなく幸せだけど、結婚しないとだめなの?」
「20代、30代と楽しんできたけれど、この先は結婚しないと幸せになれないの?」
独身女性は、一人で生きていけるだけの経済力を持っていても、アラフォーになると独身に不安を感じることも…。
でも結婚すれば幸せだと思えるようになるのでしょうか?
その答えは、ある心理学者の教えの中にありました。
目次
「自分の居場所がある」と感じられる、共同体感覚
幸せを感じるのは「居場所があること」
私たちが「幸せ」と感じるのは、一体どんな時でしょう。
好きな人と一緒に過ごしているとき、
美味しいものを食べたとき…
私たちはいろいろな場面で「幸せ」を感じます。
しかし不安を感じている場面では「幸せ」と感じることは難しいですね。
つまり「幸せを感じる」ために必要なのは、
「今、この場所にいて安心している」
「自分の居場所があると感じている」
この様な環境だとも捉えられるのです。
アドラーの「共同体感覚」とは
「私たちは誰もが『ここにいてもいいんだ』という所属感を求めている」
−そう言っているのは、心理学者のアルフレッド・アドラー。
フロイトやユングと並び、心理学の三大巨頭と称される心理学者です。
アドラーはこうした「そこに「自分の居場所がある」と感じられること」を、「共同体感覚」という言葉で表現しました。
共同体感覚を英語で表現すると「social interest」、
つまり「社会への関心」ということになります。
「自分の居場所がある」と思えるためには、他者を「仲間」と見なしていなければなりません。
敵に囲まれている場所で、「ここが自分の居場所」だなんて思えませんよね。
他者は仲間であり、仲間たちに囲まれて過ごしているからこそ居場所がある。
つまり、対人関係の中にこそ居場所があると感じられるというわけです。
アドラー心理学では「すべての悩みは、対人関係の悩みである」と考えます。
ということは、「幸福の源泉もまた、対人関係の中にある」とも考えられるのです。
私たちが「幸せ」になるために必要になのは、この「共同体感覚」を得られるかどうかだというのが、アドラーの教え。
では、どうすればこの「共同体感覚」を得られるのでしょうか。
人生には3つのタスクがある
他者を仲間と見なすこと。
これは一見簡単なようで、実際は難しいと思う人が多いのではないでしょうか。
他者を仲間と思えずに敵と見なしてしまう理由として、アドラーは次のように言っています。
「他者を「敵」だと見なし、「仲間」だと思えないのは、あなたが「人生のタスク」から逃げているせいである。」
タスクとはつまり、課題のこと。
人生のタスクとは、「ひとりの個人が、社会的な存在として生きていこうとするとき、直面せざるをえない対人関係」だとアドラーは言っています。
そしてそのタスクを
- 「仕事のタスク」
- 「交友のタスク」
- 「愛のタスク」
この3つに分けました。
仕事のタスク
どんな種類の仕事であれ、たったひとりで完結してしまう仕事などありませんよね。
同僚や取引先など、「仕事」という一点で結ばれている対人関係。
それが「仕事のタスク」です。
「仕事」の一点で結ばれているので、転職したりすれば他人の関係に戻れます。
そういう意味では3つのタスクの中では最もハードルが低く、「浅くて距離の遠い関係」と見ることができます。
交友のタスク
こちらは仕事を離れて、もっと広い意味での交友関係を指します。
「仕事」などの強制力が働かない分、仕事のタスクよりもハードルが上がります。
「学校」や「職場」などの場がなくても個人的な友人関係を築けるかどうかを考えると、難しいと感じる人も多いでしょう。
愛のタスク
最後の「愛のタスク」
これは3つのタスクの中でも最も難しいもの。
たとえば、友人であれば許せていたことも、恋人になったら許せなくなる。
そして場合によっては嫉妬したり、相手を束縛してしまうこともあるかもしれません。
しかし、アドラーは相手を束縛することを認めません。
なぜなら「束縛とは相手を支配しようとする心の表れであり、不信感に基づく考え方」だから。
「『この人と一緒にいると、とても自由に振る舞える』と思えたとき、人は愛を実感することができる。」
「相手が幸せそうにしていたら、その姿を素直に祝福することができる。」
それこそが愛であるというのが、アドラーの見解なのです。
人生のタスクから逃げるのは「人生の嘘」
他者を「仲間」と見なすことが難しい反面、「敵」と見なすことは難しくないことのように感じます。
なぜなら、人はその気になれば相手の欠点や短所など、いくらでも見つけ出すことができるから。
しかしこうして相手の欠点や短所を見つけ出し、他者を「敵」と見なすことは、「人生のタスクから逃げている」ことだとアドラーは言っています。
そして「さまざまな口実を設けて人生のタスクを回避しようとする事態」のことを「人生の嘘」と呼びました。
アドラーの教えには「あなたの人生のあり方を決めたのは、他の誰でもないあなた自身」というものがあります。
「今のあなたがそうあるのは、あなた自身が「そうあろう」と決めたから」−これがアドラーの見解。
それなのに、「自分が今、こんな状況に置かれているのは他者のせい」とか「今、物事がうまくいかないのは過去の出来事が原因」と考えるのは、自分自身に嘘をついているに他ならないというわけです。
「人生の嘘」とは、とても厳しい言葉のように感じるかもしれません。
でも、少し考えてみてください。
「人生のあり方を決めたのは、他でもないあなた自身」であれば、「あなた自身の手で人生のあり方を再び決め直すことだってできる」と思いませんか。
アドラーは「自分を変えることができるのは、自分しかいません」と言いました。
全てはあなた自身が「変わろう」と決められるかどうか。
「人生のタスク」に向き合うと決め、向き合う勇気が持てるかどうかなのです。
共同体感覚は「共同体にコミットする」ことで得られる
アドラーは言いました。
「他者を「敵」だと見なし、「仲間」だと思えないのは、あなたが「人生のタスク」から逃げているせいである。」
この言葉は言い換えれば「人生のタスクから逃げなければ、他者を「仲間」だと見なせる」ということ。
他者を仲間だと見なすことができれば、「私はここにいてもいいんだ」という所属感を得られ、ひいてはそれが共同体感覚を得ることにもつながるのです。
ただし、アドラー心理学では「所属感とはただそこにいるだけで得られるものではない」とされています。
「所属感とは、生まれながらに与えられるものではなく、自らの手で獲得していくもの」なのです。
そして所属感を得るために必要なこと。
それは「共同体に対して自らが積極的にコミットすること」
つまり「人生のタスクに立ち向かうこと」なのだとアドラーは言っています。
直面する人生のタスクにおいて「この人は私になにを与えてくれるのか?」ではなく、「私はこの人になにを与えられるか?」
それを考えることこそが、共同体へのコミットなのです。
アラフォー女性は愛のタスクに向いている
アラフォー女性は、愛のタスクでは非常に有利です。
なぜならアラフォー女性には、
- それなりの経済力
- 経験豊かだからこその包容力
- 大人として成熟した感性
があります。
愛のタスクで、人に何かを与える、共同体に積極的にコミットすることは、アラフォー女性にとって難しいことではありません。
むしろアラフォー女性だからこそ可能な、人への貢献がたくさんあるのです。
結婚するしないではなく、愛のタスクと向き合えるか
「幸せになるために結婚は必要か?」という問いの答え。
それはあなたが幸せを実感するためには、「愛のタスク」に立ち向かう必要があるということ。
結婚、同棲、恋人関係、形はどれでも良いのです。
大切なのは「愛のタスク」に立ち向かうこと。
「幸せな結婚」というのは「愛のタスク」を乗り越えた先にあるもの。
あなたが「愛のタスク」にしっかりと向き合う勇気さえ出せれば、それはすなわち、幸せにつながっていくのです。
そしてその勇気を出して一歩を踏み出すのは、明日ではありません。
今、ここなのです。
さあ勇気を出して、幸せになるための第一歩を踏み出してみませんか。